一級建築士試験

いよいよ明日(7月25日)、一級建築士「学科試験」ですね。
そして、製図試験の課題が7月23日、発表されました。
今年の設計製図試験の課題は、『小都市に建つ美術館』というテーマが出題されました。

毎年発表される課題は大まかに2つのタイプに分類することができます。

ホテルや事務所に代表される、基準階形式(高層)のものと、2層又は3層(低層)で構成され、それぞれ平面の計画をほぼ同時に進めて解いてゆくパターンです。サブタイトル「小都市に建つ」について、小都市の定義は人口10万人未満の市で、その建築規模は市町村立規模の2000㎡~3000㎡程度(低層?)での計画が予想されるということです。

各年度の課題に必ず共通している要求事項は、大空間居室ですが、今回は、まさにそれがメインテーマとなっています。大空間居室を無柱空間として求められるのか、そうでないかで難易度はかなり違ったものになります。いずれにしても、もともと設計という答えのないものを同じ土俵の上で採点できるようにする為、課題は様々な条件によって”縛り”を利かした出題の仕方をされ、ある一定の方向に回答を導く為の条件が課されます。

言葉の微妙な言い回しに敏感に反応できることが求められる訳ですが、慣れるまで少し大変かもしれません。又、それに過剰に反応してしまうことも避けなければいけません。個性はぜんぜん求められていません。どちらかといえば、大多数がそう答えるであろう形に少しでも近づけた人から合格してゆくという感があります。個性を採点することは、少し無理がありますので・・・。逆に個性は採点されないかもしれませんが、図面から受ける印象はとても重要です。やはり手書き図面ということで、筆圧や筆勢、文字からは”人となりや、慣れ”が表れます。

その他、課題の要求事項として、大空間居室を含め、吹き抜け、屋上庭園、地下駐車場、エレベーター、体力壁・・・等、建物を計画する上で上下階の縦の制約を課すものをうまく収める事がとても重要になってきます。製図の試験時間が1時間延長され6時間30分となりましたが。その分、記述の分量も増えていますので、そこを巧くこなす事ができれば、後の展開が変わってきます。課題の要求事項を読むのと同じように、記述についての項目も、試験開始の初めのほうで確認するようにしてください、わずかながら、そこにヒントになるような問いがあるかも知れません。

皆さん頑張ってくださいね。