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今回は、一度も手を入れていない築40年のお家の改造で、
ご予算の関係上、生活部分、特に水廻りの改造が主で、老後を考えて床をバリアフリーにすると同時に、
娘さん御家族が遊びに来ても団欒できる空間を造ってほしいとのご要望でありました。


外観Before

築40年一度も手を入れていない建物です。
やはり田舎造りと言うか昔の建物はしっかりしています。
経年変化で黒ずんでいるのはしょうがないことです。
唯一、屋根瓦は所々ずれたり、凍害による割れがあったりしています。
玄関戸は木製が駄目になり、臨時のアルミサッシが柱の前面に枠を造って取り付けられているままとなって十数年経っています。


外観After

玄関戸は、新たな引き違い戸を正確に入れ直し、横に付いていた屋根を受ける留袖のような飾り壁を取り払い、完全に受ける壁にしてダイニングキッチンに対する目隠し兼用としました。
玄関横にあった掃出し窓を半間右に寄せて耐力壁として、雨戸の戸袋スペースに外にあったトイレを撤去して内部スペースに生かし、遠かった勝手口を画面の右側の建物端近くに設置した。
壁は木目のサイデングをH1800まで張った。




応接からDKに

廊下Before

旧廊下の写真が有りませんでしたので3Dでの表現です。
壁がモスグリーンで割に暗く、部屋との段差が40mmあります。
床の一部は束が下がっているのか沈みがちでした。
中央には、奥と手前を仕切るドアが付いていてそこにも段差がありました。


廊下After

廊下の壁に腰壁(無垢の板を貼りつけて現場塗装した)を設けて、お孫さん達がはしゃいで壁を触っても砂等が落ちないようにして、上の壁は左官で白く仕上げて明るくした。
廊下中間の建具を撤去し、部屋との段差を無くしてバリアフリー化した。
入ってみるとどこか懐かしく、故郷の家に帰ったような気分になりました天井の照明器具は良い造りのものでしたので、既存利用。旧応


接間を奥の廊下側からみた3Dです。

応接間Before

応接間は家具やピアノ・ステレオなどがイッパイ入っていて狭くて写真も撮っていませんでしたので3Dでの表現です。
6畳の広さ(右の写真の大きな梁までの広さ)でした。
普段はご主人のくつろぎ部屋として活用されていて孤独を楽しむ部屋のような印象でした。
主な打合せはこの部屋で行いましたが家族全員入りきれませんでした。
壁はプリント合板天井は布クロス、壁の裏側は廊下とトイレになっていました。
(東南方向)


DK After

その東南の一番良い場所にDKを配置しました。
6畳の部屋を廊下とトイレを取りこみ
10畳の広さにして、掃き出し窓も半間東に移動させて2mの高さとしました。
天井を少し高くして構造補強の梁をわざと見せてアクセントに・・・・。
東の隅に設けた小窓2つからは朝日もたっぷり・気持の良い風もたっぷり入ります。
キッチンは幅2500奥行900のフラット対面式とし吊戸棚を付けないで部屋が広く見えるようにした。
(カウンター付き)収納はキッチン後ろに現場造りの棚を補強柱を挟んで造り、たっぷりの容量で、窓側にはレンジと炊飯器・トースターなどがゆったり置けます。


旧Dk Before

旧DKは北東の方位にあり暗くて昼間でも電気を点けなければならない程でした。
窓は北と東に奥の深い出窓が2つと手前右端に勝手口コンロは右端にあるのに換気扇は北側の壁に・・・。
北側の窓は冷蔵庫やレンジ等で塞がれていて、その用を成しておらず、開閉も出来ない状況でした。
床の一部腐敗していたのか、へこみがありました。


新居間 After

北側の出窓は完全に取り壊して、開口部を左に半間ずらし、掃き出し窓としたところ風通しも良く、今まであまり見ることが出来なかった北側の庭の樹木が見えて見違える環境となりました。
東側の出窓は位置はそのままで、出た部分を取り毀しHの高いサッシに入れ替えたために、
明るく広い感じの部屋になりました。
ここにピアノを置くことで実際に奏でることの出来る配置となりました。
左側の建具は既製品で、ピアノの出し入れの為に2枚引き戸とし、トイレに行く為の廊下の明かり取りの為、ガラス面が大きなものを選択。
右奥の建具は枠を既存とした為既製では合わないので、特注建具としデザインを近づけた。
右の写真の窓が左のビフォアー写真のキッチン前の出窓部です。


 その他

その他、旧部分で写真が撮れていないのが水周りですが、
トイレは東南の角に位置し、1.5畳の面積に男性用と大便器と外に小便用が作られていましたが、全て取り払いDKスペースとした。

写真A=旧勝手口と洗面の一部を使ったトイレで、幅は1,100と広めで奥様ご希望の信楽焼の手洗い器を使い、鏡をかなり探しましたがぴったりくる物が有りませんで、困っていましたが奥様がお嫁入りの時に持参されていて、現在は使われていなかった八角形の鏡が有りましたので、採用しましたらとても喜んでいただけました。(少ししか映っていませんが)


写真B=旧洗面と浴室の部分を使った浴室で1618の大きさです。当初は1620の予定でしたがご主人は浴室・奥様はトイレ、結局奥様の意見が通ってトイレを広めになりました。浴槽はワイドタイプで、半身浴も可能です。

写真C=家事コーナーの引戸からDKを見たところ。

写真D=キッチン後ろの造り付け家具ですが、木目を生かした白オイルステインで仕上げてあり、引き出しや扉の取っ手は既製のキッチンに合わせて選んで取り付けました。

平面図


■典型的なこの地方の民家造りで、キッチンは北東、浴室は東、便所は東南の角の一番良い場所を占め、農作業用だと思われる外便所がある。
応接室や客間(座敷)が南側を占め、家族は北側の暗い部屋で暮らすと言うプランになっている。
DKと応接との間の3畳和室はタンスや鏡台が置かれ、DK側には食器棚が。どこの家でもそうですが、大きな家の割には狭く狭くお暮らしなのが残念です。
ただこの家が990mmのモジュールなのが救いで、広く間取ることができるのが良いですね。



■当初プランでは浴室や洗面などは北側に寄せて、LDKをワンルームで提示したが、家相で阻まれてこのプランに落ち着いた。
奥様ご要望の対面キッチン、家事室、広いトイレ、ご主人御要望の広い浴室や自分居場所の確保などをプランニング。
ご家族は現在3人ですが内孫1人、外孫2人等が一度に集合されても何とかDKで団欒できるように考えて、対面キッチンのダイニング側にも座れる物を選択した。
料理好きの奥様は「台所に立って作業するのが楽しくて」と言われ、娘さんもお母さんが生き生きと食事の準備をされているのが嬉しいとお喜びです。